作曲の方法ってどんなものがあるの?オススメの作曲方法は?

1.メロディーから作る

作曲するということで一番最初に思い浮かぶのは「メロディーから作る」というものではないでしょうか?
トラックメイカーやDJという言葉が市民権を得た今、作曲という作業の中でメロディーのプライオリティーは下がってきましたが、やはりヒットソングは「メロディーがしっかりした曲」であり、多くのリスナーはメロディーを聴いて曲の善し悪しを判断しています。

曲の中で一番の主役であるメロディーですが、しかし、この主役であるメロディーから作曲することは意外に難しいのです。

まず、メロディー作りは、音楽理論を知らなくても、楽器がまったく出来ない人でも出来ます。
鼻歌を適当に歌えば、一応の作曲になります。
口笛を適当に吹けば、これも一応の作曲。

でも、作曲というのは、「メロディーとコード進行」を作り、弾き語りなどで1曲として聴くことが出来る状態まで作り込まなければ、厳密には作曲とは言えないのです。

また、誰でもメロディー作りは出来ると書きましたが、確かに誰でも出来そうでも、あくまでメロディーの断片まで作ることが出来るというのが普通で、1曲として仕上げるのには、これはある程度の訓練が必要です。

作曲初心者であるほど、メロディーから作るという作曲方法はオススメしません。
下記に書く「コード進行を作ってからメロディーを乗せる」という方法に慣れてから挑戦した方が良いと思います。

2.コード進行から作る

コード進行を作ってからメロディーを乗せるという作曲の方法は、ポピュラー音楽の作曲方法として一番オススメです。
というのも、コード進行は、メロディーの行き先をサポートしてくれるものだからです。

例えば、「メジャーコード(明るい)からマイナーコード(暗い)に進む」というようにコード進行を作ると、リスナーに「どんどん切なくなって行くんだな…」といった曲の雰囲気をざっくり伝えることが出来ます。
また、コードにはそれぞれ性格があります。

このコードの性格についての詳しい説明は別の機会にするとしても、コードの性格は以下のように分類されています。

トニック[T]…安定
サブドミナント[SD]…次に行きたい
ドミナント[D]…終わりたい

通常、このトニック、サブドミナント、ドミナントは「コードの機能」と呼ばれたりしますが、当教室の音楽理論レッスンでは、「コードの性格」と説明しています。

この「コードの性格」を理論的にも感覚的にも使いこなせるようになると、曲が始まってどう展開して終わって行くのかということをコントロールすることが出来るようになり、すると、自然とメロディーも浮かびやすくなるというものなのです。

3.リズム(ドラム)から作る

ヒップホップやR&Bといったブラックミュージック発祥の音楽が流行するようになってから生まれた「トラックメイカー」という言葉。
また、最近ではエレクトロも流行です。
これらのジャンルの特徴として、メロディーのプライオリティーが低く、リズムのプライオリティーの方が高いということが言えます。
つまり、メロディーの良さを求めて曲作りをするというより、「グルーヴ」や「ノリ」を求めた曲作りです。

DTM/DAWソフトもリズムパート制作をスムーズに行えるような機能が搭載されているのが当たり前になってきましたので、リズム(ドラム)パートから作るという作曲方法も一般的になってきており、リズム(ドラム)パートから作る作曲方法をとる人も増えてきました。

ただし、作曲初心者にとってはこれも作曲方法としては、曲の断片だけが出来て行くということに陥ることが多く、当教室ではコード進行を作ってからリズム(ドラム)パートを作っていくことをオススメしています。
というのも、確かにヒップホップはメロディーという要素が薄い音楽なので、もちろん、コード進行もそれほど複雑なものはありませんし、ループベースの音楽(繰り返しの音楽)でもあるため、ドラマチックな展開をする曲も多くはありません。
ただし、それでもヒップホップも音楽である以上、コード進行という要素はきっちりありますし、リズム(ドラム)パートには、音程(ド・レ・ミ等)がありませんので、工夫をしないと単調になってしまうのです。

これもコード進行からの作曲方法に慣れた人がトライすべき作曲方法と考えるべきでしょう。

4.まとめ

以上、上記にあげた作曲方法以外にも様々な作曲方法があります。
特に、楽器演奏が出来る人ほど、ロックのポピュラーな作曲方法である「ギターリフから作る」という方法から、ピアノが得意な人は、「ピアノを適当に弾いていたらピアノソロ曲が自然と出来てしまった」というのもあります。
作りたいジャンルによっても、作曲方法は人それぞれですので、自分なりの方法を確立していくことが出来れば、どんどん曲作りがはかどることでしょう。

しかし、作曲に慣れない初心者の方は、まずコード進行から作る作曲方法をオススメします。